『調整~ヨガ的な努力』3.下半身をほぐす

身体各部の担う役割が自然と果たされてゆくことを
妨げている滞りや硬さ。

そんな滞りに”ほぐす”というアプローチを向けて進めている今回のシリーズ。
まず何よりも心身の現状に寄り添うところから始めることを大切にしながら、
その時々の現状から少しでも心身の内面にスペースを広げてゆくことを目指した調整、ヨガ的な努力を実践しています。

今回からは身体各部の担う役割を捉えやすいようシンプルに紹介します。
その上でその役割を自然と全うしやすい状態へと導けるよう、
それを妨げているいる滞りをほぐし和らげてゆきましょう。

ほぐしかた

どのようにほぐしてゆくのか。
今回のシリーズでは特に2つの方法でアプローチしています。

1.ストレッチの刺激を与えることでパイプの詰りをほぐしてゆく

2.一度あえて程よく圧迫し、形をほどいたあとの流れを促す

1はより直接的で、2は間接的です。
ヨガのアーサナのほとんどにはこの2つのアプローチが含まれています。

私のクラスではアーサナのあとの余韻を味わう時間を大切にしているのですが、
アーサナを通じてアプローチしたことで心身が示す反応、それらが心身に効いてゆく感覚の深まりは、
アーサナを行っている最中だけに起こるわけではないからです。

そのような実感を私自身は大切に重ねてきました。
それが結果的に、私のクラスが運動量の有無に関わらずわりと穏やかなトーンで進んでゆくことに繋がっていったのだと思います。

どのように、行うか。
どのように、保つか。
どのように、ほどくか。
そして、どのように余韻を味わうか。

こうやって味わってゆくと、
クラスを通じて切れ目のある瞬間はなく、
結果的にすべての瞬間に瞑想的であることが、自然と成されてきます。

この全てに等しく重きを置いてみること。
この機会にぜひ実践してみてください。

脚をほぐす

脚、ここでは英語で言うところのlegのお話です。
(ちなみに足はfootです。)

脚は、大地と身体を結んでいるパイプのような役割を担っています。

そのパイプのなかを下向きに安定してゆく流れがあるとき、
構造物としての私たちの身体は安定してゆき、
そのことから心にも安定感を受けとることができます。

そのパイプに詰りがあれば、
当然流れは妨げられやすくなったり、逆行しやすくなったり、ということが起こります。

脚の疲れ、筋肉の固さ、むくみなどが、パイプの詰りに当たり、
そういった流れの滞りをほぐすために、太ももの後側、太ももの前側、太ももの外側、そして太ももの内側にアプローチしてゆくアーサナをクラスでは実践しました。

下に向かってゆくエネルギーの流れが、脚を通じて大地と繋がっている感覚は、
私たちの心身にとって自然なこと。

パイプの詰りが流れたあとに、ただ、しっかり立ってみましょう。
それだけでも、脚の役割が輝かしく発揮されていることを実感できると思います。

股関節をほぐす

股関節は、骨盤と脚のジョイント部分にあたる関節です。

脚との繋がりからみれば、パイプのより中心部に近いところ。
骨盤との繋がりからみれば、骨盤全体がこの股関節によって支えられています。
縁の下の力持ち的な存在ですね。

身体の柔らかさ・硬さといった柔軟性をイメージしたら、この股関節について思い浮かべる方も多いと思います。
それだけに、なんとなく柔らかいほうが良いような、漠然としたイメージや憧れを抱いている方もいるかもしれませんね。

だからといって、全員が180度股関節を開脚出来る必要はないと私は思います。

それはあくまで、より良いアプローチを積み重ねた結果と、それをすることが可能な骨の形状だった場合に起こることです。

重要なことは、中心部により近い、というかほぼスタート地点である股関節が、
現状よりも少しでもスペースを広げ詰りや滞りから解放されてゆくことです。

可動域が狭いなか、緊張感たっぷりな中で縁の下の力持ちでいてもらうよりは、
少しでも広いスペースを作ることで、股関節が十分にその役割を果たしやすくなるよう、働きかけてゆきましょう。

そういった意味でもやはり、股関節が硬すぎるよりは程よく柔らかい方が、
可動域の中で選択肢を多く持てることは確かです。

また股関節はとても大きな関節で、
脚の多様な角度への動きを可能にし、
動作によるたくさんの衝撃を吸収する役割も担っています。

急にぐおーんと柔らかくなったら、それはそれで役割を果たしずらくなるものだと思いませんか?
ある程度ここがしっかりまとまっているから、
構造物としての身体も安定して支えられているのです。

だから股関節の滞りを流れに促すときには、
繊細に注意深く、身体の声をよくよく聞きながらアプローチすることが大切だと思います。

クラスでは、股関節の後側、股関節の前側、股関節の外側、そして股関節の内側にアプローチしてゆくアーサナを実践しました。

私のおすすめは、股関節をほぐすときには陰ヨガのアプローチを用いること。
無理強いした負荷をかけないためにも、
ホールドの長さや重力を借りて働きかける陰ヨガなら、
安全に確実に股関節をほぐすことが出来ると感じています。

ほぐす以外の調整

今回のシリーズは、ほぐすこと。
その一点にしぼってシンプルにお伝えするよう努めています。

丁寧に向き合えば、
滞りがほぐれるだけで本来持っている身体の役割が果たされている実感を十分に得てゆける!
そういう気付き、意識の深まりがこのシリーズの最大のメッセージです。

その上で、ヨガの調整にはほぐすということ以外にも方法があることも
ほんの少しですが述べておきたいと思います。
(5月以降にシリーズとして取り組む予定です。)

それは、その役割そのものがより色濃く果たされるための身体の使い方をする、という調整の仕方です。

その調整に向かうためにも、
まずは蓄積した滞りをほぐすことから始めています。

こう書くと、ほぐすことは準備のように思えてしまいますが、いえいえ、十分に主役になりうること。

奥深いヨガの教えを出来るだけシンプルに、
実感を積み重ねることに重きを置くと、
どうしても一部分のみを伝える形になってしまいます。

なのでほんの少しだけではありましたが、
互いに補い合い、助け合っていく調整の仕方のお話でした。


次回は『調整~ヨガ的な努力』4.上半身をほぐす
4/26更新予定です。
(更新は全ての会場でそのテーマでのクラスが終わったのちに行っています)

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